試食プレートをお渡しする場所で、第1部メインゲスト笹島シェフがパスタをこしらえていました。

今回の試食プレートは、鳥取県の食材を活用した笹島シェフのパスタ「鳥取和牛のボロネーゼ」です。笹島シェフが鳥取県とやりとりしていただき、今回ぜひ受講生の皆さんに食べていただきたいと言うことで、特別に試食プレートをお作りして振る舞うことになりました。

まず、試食会では、日本遺産に認定された、島根県奥出雲地域の食材について本田屋本田さんより、

島根の認定地域は「多々良地方」という地域です。鉄の作り方を教えた神様がおり、その神様がこの土地に別の作り方を教えたという場所です。この地域は優良な砂鉄がとれる、つまりミネラル・鉄分が豊富で、鎖状土が多いというのが特徴です。この環境によって、田んぼに適しており、お米がおいしいのです。また鉄にまつわる事業が多く、こうした地域は「民謡」が盛んです。やすき節というような民謡がありました。産地に行きますと、その食を作る間に、民謡を歌って作業していた、そんな文化があるんだなと、日本の各地域を回ると感じます。

(参考)日本遺産:出雲国たたら風土記〜鉄の道文化圏〜
http://tetsunomichi.gr.jp/history-and-tradition/tatara-outline/part-4/

今回の島根食材の中に、「日本農業遺産」と言われている野菜がおおく見られます。何が違うかと言うと、昔から野菜をこしらえている工具や風景が、農業遺産として重要な位置づけになっております。その地域のブランド認定をするさいに「風景」を大事にしているからです。「コンクリートジャングル」という都市風景もありますが、農業を作る風景として、非効率ということではなく、昔の作り方はどのようになっているのかと言う部分を尊重しながら、最新技術を取り入れながらも文化として残っているのかというのが重要です。

鉄が採れるからこそ、生まれていく文化という部分が、今回日本遺産として紹介したい地域であります。


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次に、鳥取県の食材について、今回地方ゲストでお越しいただいたのは、
鳥取県東京本部 販路開拓チーム 副主幹 米原典子さんです。
【試食ラインナップ】
笹島シェフ、比嘉シェフよりご紹介いただいたのは、下記のメニューです。

[試食用プレート]
イルギ・オットーネ特製「鳥取和牛のボロネーゼ」
[ビュッフェ料理]
ビュッフェ料理は通常通り比嘉シェフにお願いしました。



・ミディトマトと人参のサラダ   奥出雲食材(ミディトマト・人参)
・じゃが芋とさつま芋マッシュ     奥出雲食材(じゃが芋・さつま芋)
・猪肉と島根白ネギのロースト    奥出雲食材(猪肉)×島根食材(白葱)
・鳥取和牛のロールキャベツ    島根食材(鳥取和牛)奥出雲食材(キャベツ)
・奥出雲舞茸のピラフ       奥出雲食材(米・舞茸)


今回は2つの食材がピックアップされております。鳥取和牛と白ネギを使ったものになります。鳥取和牛を「万葉牛」と書かれておりますが、なぜかと言いますと、県の東部側に、奈良時代に、大伴家持が鳥取に来られた時に作られた「万葉歴史の館」というのがあります。その場所で生まれ育った和牛を一部で「万葉牛」と呼んでおります。日本で一番牛が集まる場所が鳥取県「大山(だいせん)」にあり、日本三大博労座(牛馬の売買やその仲介をする市場)とよばれ、「備後の『杭の牛市』」、「豊後の『浜の牛馬市』」、「伯耆の『大仙(山)の牛馬市』」の牛馬市を指しております。その牛の特徴として、「オレイン酸55%以上」です。これが融解度が低く、口溶けが滑らかと言われております。どんどん食べやすく、健康的にも良いと言われております。

また白ねぎですが、白い部分が可食部分です。今回提供しているのが「弓ヶ浜」で作った白ネギです。笹島さんとは、もともと京都にお店があるので、関西地域で活躍、ご支援いただいております。

笹島さん、御登壇!

「ありがとうございます!今回作ったパスタですが、鳥取和牛をミンチにして仕上げた【ボロネーゼ】です。玉ねぎとにんじんとセロリ、そして赤ワイン、トマトとともに昆布を炊き込んで、そこに鳥取和牛を漬けて、3日間ほど熟成させたものです。その後真空パックにして、先ほどこの現場に持ち込んだものです。

また淡路島でつくっているパスタですが、「茹で揚げがたった1分」というパスタを開発し、今日のような120名ほどのパスタを茹で上げることにも非常にやりやすい食材です。すこし麺幅もありますので、今日のメニューにぴったりだと思います。最後に京都ならでは、「七味」でアクセントをつけました。ピリッとスパイスが効いている仕上げになっています。」

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笹島さんは鳥取県とは、はじめは雑誌メディアと一緒に取材に行ったのがきっかけだったとのこと。この講座のお話をいただいたときに、是非使いたいと思い、鳥取食材を使った試食プレートを自ら提供することに。
本田さんより「たとえば、鳥取県からすると笹島シェフのような料理人に、地元食材をつかっていただき、どんな期待をかけられるものでしょうか?」


米原さん「鳥取の食材は量がたくさんあるわけではないので、笹島シェフのようなかたに使っていただき、PR効果もあり、今後もたくさん使っていただきたいです。」


笹島さん「こちらもありがとうございます。僕らも何度も鳥取にいかせていただいておりますが、もちろんお魚も豊富です。けれど、現地の方に話を聞くと、鳥取の魚って、意外と鳥取地元で手に入りにくくなっています。

だから販路をもう少しコーディネートされる方がいれば、東京だけじゃなくても、関西地方でも、地方の良い食材が手に入りやすいと思いますね。

僕もお笑い芸人のように地方を飛び回っておりますが、30年飲食店を経営していても、出会わない食材がまだまだあります。日本は東西南北で食材の宝庫だと思います。海外のシェフにも人気です。今後丸の内でもこうした活動が大事になってくるかと思います。」

以上

文責:事務局 松田龍太郎(株式会社oiseau)