第一部 講義メモ
「ひらまつのホスピタリティ経営哲学。地方と都会、旅館とレストランの共通点と相違点」

文責/第一部 ファシリテーター:三菱地所(株)商業施設営業部 専任部長 綿引 浩之 氏


2019.11.21 まとめ

(ひらまつのホスピタリティ経営学とは)

(陣内氏)
ひらまつ本店で、デートを重ねた方から、披露宴を頼まれて、やったのが、ひらまつのレストランウェディングのはしり。平松は、開業5年後くらいから、将来、学校やホテルをやっていくことを表明していた。そして、このひらまつ憲章をつくった。(現行は2代目、初代は、フランス文化を日本に強く広めることが理念になっていた。)

それを浸透させる、合宿をして、従業員と膝を詰めて、一人一人と話し合った。豊かさの提供とともに、飲食業界の地位の向上を目指したいという話をしていた。フランスの国家憲章が、平松の憲章に通じている。(自由、平等、博愛)
(その中の一環に、一部上場を目指すことも入っていた)

「よいレストランとは」というサービスの理想が、このひらまつ憲章である。

自分は、本当は、料理人として、ひらまつに入社した。
しかし、平松から、料理人に向いていないと言われ、サービスに回った。

なぜなら、料理が好きすぎて、良くない。
すぐに満足してしまう。
性格も、人の事が気になってしまう。
料理に集中できない。

「一流の料理人になれなくても、一流のサービスマンにはなれる」と平松から言われた。
それまでは、料理を作るのが怖くなっていたということもあった。


(荒井女将)
陣内社長の凄さは、先を読め、それを実践できるサービスマン。
(見送った瞬間に、車がぶつけそうな所を見にいける。)
それを背中に、従業員が育っている。


(社員女将のモチベーションとは)


(荒井女将)
元々、アペックス森社長の別荘を改装した。13室の旅館。地元の食材もふんだんに使っている。
(海の幸、山の幸(ジビエ他))

自分でも自然派であると思う。元々、ブライダル80名の社員のトップだった。その後に、熱海の女将を打診された。ひらまつに、レストランではなく、旅館、ホテルにあこがれて、入ってくれたらいいなぁと思って、引き受けた。(前職、アパレルのブランド戦略にも共通)

旅館、ホテルは、日を跨いで、仕事をする。しゃべる教育には、ホテルが一番いい。
お客様と一番お話せざるを得ない。
お客様とどう接するかの判断をするのが、女将の仕事。

(陣内社長)
仕事を楽しんでいることが、荒井女将の自然体であること。
お客様の喜びを自分の喜びに変えられる人。

(荒井女将)
ブライダル担当の時に、各地方に行ってきたことが、自分の強みになった。
お客様にお聞きしたことが、凄く話のネタになる。それを従業員と共有する。
今の若い人は、興味がなければ、どう教育しようとしても、聞かない。
一人一人の従業員に、興味があることを使って、教育することが大切。


(熱海を含めて、地方での展開方法)
(荒井女将)
うちの旅館に来られる人は、美味しいものは沢山食べている。
お客様は、地元の食材をHIRAMATSUらしく料理するかを楽しみにしている。

当初は、料理長は凄くプレッシャーになった。
よって、熱海だけの食材ではなく、その他の地方の食材を取り入れて、
熱海の食材が引き立つように料理していくことに行きついた。

(陣内社長)
当時の料理長は悩みながら、生産者と接するようになっていた。
地方に出店していくことによって、その地方の良さを知り、発信することが大切である。

(レストラン、ホテル・旅館の共通点と相違点)
(陣内社長)
ホテルには、レストランではできない、究極のサービスがある。
レストランもホテルの共通点は、目の前のお客様を幸せにすることである。

(荒井女将)
レストランもブライダルも、同業他社は、ライバル視。

でも旅館、ホテルは、とても結束が固い。
「いかにこの地方に来て頂けるか、リピートしてもらえるか」ということをやり始めている。
泊まる方に、美味しい食事をすることも楽しいことを教えなければならない。

(陣内社長)
これからのレストラン業は、益々、お腹を満たすことではなく、人と一緒に過ごす時間を大切にすることが大切。
もっと、人と接する機会を作っていくことは、今後の日本にとって必要。

(荒井女将)
お客さまも従業員も含めて、美味しい食事の情報を共有していくことが大切。
それが素敵なことになるし、それが料理にも、サービスの原点になる。

(ホテルをレストランのフィードバックできる領域)

(陣内社長)
ホテルでは、大規模なホテル程、システムを導入していて、レストランよりも進んでいる。
ホテルを始めて、3年間は、敢えて、ホテル業界から入れないで、自分達で、やってきた。
これからは、ホテル経験者も入れていって、ホテルのいいところをレストランに導入したい。

(荒井女将)
ホテルは、管理ソフトが進んでいるが、完璧なものはなかなかない。
レジでは、お客様情報は共有できるようにはなってきた。

(事前質問シート)

(陣内社長)
お店の責任者(支配人、料理長)には、先ず、よく話すこと。ホスピタリティとは、感動を一緒に共有できるかどうかをやっていくこと。

(荒井女将)
一人一人の個性をどう生かすか。が最も大切。労働時間が長いので、一人一人の社員と一緒にいる時間が短い。その中で、スタッフの事をみていくことが大切。ホテルは目の前のことをやっていくしかないので、本当に勉強になる。

いろんな経験をどうさせていくかも大切。

(陣内社長)
すぐに飽きる従業員がいる。いろんな業態をやってみせることをやってみる。

(荒井女将)
背中を見せる教育は難しいが、見せると真似をする。
自分がいて、それを真似をしている社員は、お客さまにすごく褒められる。

プライドを持って、お客様を接すること。
なかには「背伸び」をしている若いお客様がいる。
その方々に極上の満足を出来るようにしてあげること。
そこで、最高のサービスをしてあげること。

(共通質問)
(陣内社長)
飲食業界のすばらしさをどう伝えるか。それが伝わる人をどう発掘するか。が大切。
学生時代から、そうした考え方を伝えていかないと難しい。

(荒井女将)
モチベーションの高い若い人は、もっと働きたい。でも、働き方改革で、そんなに働けない。昔は、働いた分がお金になってかえってきたが、今は、それが出来なくなっている。

(陣内社長)
もっと、料理人も、お客様に接する機会をつくりたい。
就職してから、どこまで接することを続けられるか。
実践で感じてもらう必要がある。


(会場からの直接質問)

(Q>地方の食材と、2016年からふるさと納税での商品について)

(A>陣内社長)
地方の食材を使えて、広めることができてとてもよかった。
東京では手に入らないものが手に入ること。地方の大切が伝わってきた。
もっと、力を入れていきたい。

(総括)
(陣内社長)
おもてなしとは、見えない気持ちである。例えば、女将自らお花を生けることは、見えない気持ちの一つである。
こうしたことの積み重ねだと思う。それをどのように伝えていくがポイント。

(荒井女将)
地方に住んでいる人しかわからない知られざる素敵な食材がある。こうしたことを地元の方と共有していけば、その地方でしか食べられない美味しいものが作れる原点になる。

熱海の地元の人しか食べない、外には売れないような、安くて美味しいお魚が沢山あるし、それをうまく活かした美味しい料理が沢山ある。こうしたものをもっと地元の方と共有して、お客さまに本当に喜ばれる料理を作って、お出ししたい。