第一部 講義メモ
ふかひれ加工技術の歴史的変遷と日本料理の共通点。
日本の食の世界発信への具体的手法

(本講座は討議のキーワードを拾います)

第一部 ファシリテーター:三菱地所(株)商業施設営業部 専任部長 綿引 浩之 氏


ふかひれ等を世界の最高級食材にできた経緯と極意
(石渡商店からの資料を見ながらのご説明)

(石渡氏)
ふかひれ、あわび、なまこ(俵物3品)中国から伝来。
中国の高級ふかひれ⇒繊維のふかひれ

中国のふかひれ加工技術は優れてなかった。⇒結果、繊維だけが残った。
日本のよしきりざめ⇒本来は高級ではなかったが、姿煮で加工していった。
その後、中国人が日本に姿煮を評価⇒少しずつ中国に広まった。(そして高級食材となった)

創業者 味の素の社員 気仙沼でふかひれが捨てられている情報を得て、転居。
捨てられていたふかひれを加工して、開業

ドルショック後、家庭でもふかひれを食べれるように、通信販売を開始
平成天皇即位の礼で、ふかひれ入り茶碗蒸しが出る。
(そこからふかひれが和食で使わるきっかけになった。)

匂いを消す技術、形を整える技術を確立。
さらに和食としても発展

東日本大震災発生。大打撃。息子兄弟二人で、復興を誓う。
震災がなくても、右肩下がり。これで復興させれば、名前が残るという目標設定。


日本料理の歴史と調理法
(野崎氏が出演した、テレビ番組〜ダイジェスト版〜を放映後、説明)
(野崎氏)
なにが日本料理か。一般の方が既存の情報にとらわれている。
かなり間違った知識で、料理をしている。

例 京料理は、新しいから、薄味。今の京料理は、東京で修業した人で作られている。
752年から、和食は始まっている記録がある。

例 江戸時代の、お澄ましは、味噌汁の上澄み。(今のスタイルではない)
島津藩 昆布を富山の薬業者に送り、全国の情報を得た。⇒討幕の情報を得た。

素材を超えない味⇒日本には、素晴らしい水がある(濁らない水があった)
和スタイル⇒花鳥風月(四季を表現する)になった。

例 しめ鯖には、サイエンスが必要になった。
世界の料理になるには、益々のサイエンスが必要となる。


地方のブランド戦略について
(石渡氏)
ふかひれ加工の逆風の流れ
中国の贅沢禁止令、動物愛護団体による鮫の漁の禁止の呼びかけ
大口ホテルのふかひれ使用停止、大口航空会社も搭載禁止
ハワイ ふかひれ所持禁止令

逆風からの来る新しい流れの開拓
化学的根拠に基づく加工の研究(今の加工方法の確認、見直し)
自社製品での消費動向の調査(どこで、いくらで消費されているかのリサーチ)
直接調理する方、直接食べる方にどう伝えていくか。キャッチボールが出来るかのトライ

(野崎氏)
高い商品というイメージをどうしていくかが大切。
ふかひれを食べると長寿になること、美肌になることが科学的に言えると強い。

東日本大震災後、どうしていったか。
気仙沼は、世界のたった3%の加工しかできていない。それ以外の商品化を検討
牡蠣は、出始めの時期が一番高い。そこから価格は高いが、味はどんどん美味しくなる。
それを利用して、安くなった時期の美味しくなった牡蠣をつかった加工品の開拓

オイスターソース他の加工品を商品化した。
鮫(さめ) 高たんぱく、低脂肪の特性がある。

コピーライター糸井重里氏に相談⇒ペットフードを商品化

(野崎氏)
味覚障害者は、だいだいサプリメントの取り過ぎ患者である。
ペットフードより、健康食品に応用してほしい。
鮫(さめ)が安く、ふかひれが高いというイメージがある。これをどう変えていくかが問題。

(石渡氏)
鮫(さめ)肉にたいするイメージがよくない。中々流通しない。
鮫(さめ)肉を食べられるまでに、頑張るか、鮫(さめ)肉を何に応用できるか。⇒結果、後者の選択。

例 ぼうかざめ 血の気の多い鮫。ぼうかざめの星(心臓)本当に美味しい。⇒価格が高騰

(野崎氏)
気仙沼では、「かつおのたたき」がない。鮮度がいいので、たたきにする必要がなかった。
昔は、死後硬直の前のかつおは本当に美味しい。(昔のかつおは固かった)

働き方改革時代の経営改革(飲食店、地方)
(石渡氏)
トヨタ式経営改革方法による改革を実践した。
生産ラインでの詳細な確認と指摘(トヨタからの指導者)3期連続で実施した)
例 商品が詰まってしまった工程を確認⇒ビデオ、ストップウォッチで調査

一人ずつの作業時間を確認⇒9人⇒5人に変更
今の忙しさを変えずに、経営改善ができることを従業員に理解してもらいたかった。
人の姿勢含め、より楽な工程作業の見直し、効率化の実施
滞りのない作業手順、方法を開拓。(従業員全員での共同作業の細かい見直し)

整理整頓により、改善が必要なものが見えてくることで、
あらゆる年齢層が出来るように、作業手順書を作成、提示。

(野崎氏)
昔は、気合の時代、残業もいとわず、やってきた時代、
実態は、無駄な時間、無駄な料理時間を使ってきた。
美味しさというには、家庭料理にはかなわない。家庭料理には、風合いがある。
直前に作った方が絶対に美味しい。(例 鰹節を直前で削るとうまい)

(石渡氏)
トヨタ改善は、必ず、飲食店でも応用できるはず。どう応用させることが大切。
スタッフには、数字を明記すること、明快な根拠を示すことが大切。
作業が遅い人、早い人がいて、それを数字で見せた上で、どう改善するかが大切。

日本の食を世界へ発信させていく具体的方法とは(地方、日本料理の両面から)
(石渡氏)(地方)

ぜひ産地に来てほしい。産地で感じたこと(風景、匂い他)を、
ぜひお客様にそれをお伝えしてほしい。
海外のお客様も、味もそうだが、その料理、食材が生まれた、
地方のこと(風土、歴史他)を伝えてほしい。

(野崎氏)(日本料理)
日本料理こそ、日本人が勉強することが大切。

日本の文化の高さをもう一度、勉強して、伝えられたら、いい。
できれば、2020に海外の方に日本人が日本料理を伝えてほしい。
例 京都の人は、常に外からいいものを取り入れてきた。日本全体がそうしていくべき。

そうしていけば、日本料理はもっと発展できる。

**********************************************
(質疑応答/事前質問シートより)(①野崎氏に対する質疑)

(野崎氏)
2004年、アテネオリンピックの時、長嶋監督が倒れたことも踏まえ、現地に行った。
高校野球をやってきた料理人を選抜して、サポートした。

来年2020年、東京オリンピックでは45000食/日を作る計画を現在立てている。
実は、カレーライス、ラーメン、餃子も「日本料理」として入っている。
これは日本特有のメニューの一つになっている。

つまり、日本料理は、生活に根ざしたものという捉え方である。
(例 一汁三菜)

家庭料理がなぜ美味しいか。わざわざ、古いものを食べることがない。
取り立てが簡単に手に入るようになった。
料理屋の料理は、お酒の当てになるように作ってきた。

日本料理のバックボーンの話はつきないが、
つきない程ある日本料理をを支えてきた日本人は
本当にすごい民族である。

(質疑応答/事前質問シートより)(②石渡氏に対する質疑)
(石渡氏)

復興支援の今後 全国あちこちで、災害が起きている。
現地に来て頂き、食材、現地の人を知って頂き、それを発信して頂くことが大切。
地元の商工会議所を活用してほしい。(いいもの、いい人を必ず紹介して頂ける)

(質疑応答/事前質問シートより)(③両氏に対する共通質問に対する質疑)
(野崎氏)

朝早くから夜遅くまで働いて、給料は三分の一だった。
これを半年間続けたから、自分の考えを改めた。
だったら、もっと覚えてやろう。と思い直した。
それから、どんどん世界が変わっていた。
どんどん知識が増えていった。

又、いつの時代も、最初、こんなものと言われて、否定されたものが、
いつしか評価され、今では、伝統的料理になっている。

今の時代で変わっていかなければならないことが沢山あり、
例えば、働き方改革だけでも、もっとも仕事を効率化できれば、
若い従業員は、もっと早く帰れるし、勉強もできてくる。

それだけでも実行していくことはできるはずである。