今回、地方からお越しのゲストには、第1部サブゲストとして登場する、宮城県気仙沼から「石渡商店」石渡久師代表取締役専務です。ご紹介する食材は2地方から、一つは石渡氏がご用意した三陸・気仙沼を中心とした食材と、日本遺産チームからご提案いただいた、北海道・十勝地方の食材です。

【試食ラインナップ】
野崎総料理長よりご紹介いただいたのは、下記のメニューです。

[試食用プレート]
  ・海ご飯
 ・帆立 フカヒレ きのこあん掛け
(使用食材)
   ・牡蠣(気仙沼)
   ・帆立 貝柱(気仙沼)
   ・フカヒレ バラ(気仙沼)

(野崎総料理長からの食材イメージと感想)
ありがとうございます。みなさん、いかがでしたでしょうか?

まずご飯ですが、「牡蠣」と「青のり」を入れました、「海ご飯」を作りました。次に、帆立はですね、気仙沼から貝柱したものを仕入れましたが、これにキノコを合わせた餡掛け風味となっております。帆立には低温で火入れしております。だいたい70度くらいの温度帯です。和洋中折衷の味わいですね。

[ビュッフェ料理]
比嘉シェフによりご紹介、お作りいただいたのが下記のメニューです。
・長芋のグリルとサラダ野菜
 (使用食材)
   十勝芽室町 長芋(トロフィー)

・雪室熟成メークインと山森野豚マヨネーズ
(使用食材)
   十勝帯広 メークイン(ジャガイモ)
   十勝上士幌町 自然放牧豚 
・豊西牛のローストビーフとリーキと山わさび
(使用食材)
   十勝帯広 ホルスタイン(子牛)
           十勝幕別町 国産リーキ
           十勝芽室町 生山葵(わさび)

・ブラータとビーツマリネとビートオリゴ
(使用食材)
   十勝 幕別町「ブラータチーズ」
   十勝 帯広市「赤ビーツ」

(比嘉シェフからの食材イメージと感想)
今回は北海道十勝から食材が届きました。4種類のメニューになります。

主に長芋、ジャガイモ、リーキ、赤ビーツのお野菜を軸にしました。

北海道はやはり、お野菜のクオリティが高く、特に、今回仕入れたじゃがいもは「雪室熟成」で、甘味がすばらしいです。雪室とは、「冬の間、降り積もった雪で山をつくり、藁などをつかって雪を囲い、夏まで貯蔵して活用する」方法で、野菜からその雪の冷たさから、「不凍液」をださせて、甘みを出すため、手法として使われています。雪国では「雪下」「雪室」といわれていますね。特徴としては、寒冷地で育てた芋は、適地適作で、非常に出来栄えがよいと思います。

次に、長芋は、調理の際に、表面はグリルでこんがり、中は火を入れすぎないで、酢で締めています。食材は、全体的に「甘味」があるので、シンプルな作りにしました。

そして、ビーツとリーキは、ゆっくりオーブンで火を入れて、かるく調味料で和えてあります。さらに、モッツァレラチーズよりも柔らかい、まるで、小籠包のようなチーズ、「ブラータチーズ」は、日本でもなかなか作っている人が少ない、珍しいチーズだと思います。またリーキは「西洋ネギ」「ポロネギ」といわれておりますが、女性にも人気で、ビタミンが豊富です。特にスープなどと相性が抜群です。これもまた食材の甘みを生かしたものですね。

みなさん、ぜひご賞味ください!

(石渡氏からの食材)
ご紹介あずかり、ありがとうございます。石渡商店、石渡と申します。

事業は、今年で63年目です。おじいちゃんが初代で、昭和32年から、ふかひれの製造を行なっております。特にサメの調達が多い気仙沼で、そのサメの素材を、100%活用できるようにと、フカヒレをやらせていただいております。

まず、フカヒレを扱うにあたって、「食材の良さを引き出す、損なわない」のがポイントです。

ちなみに皆さん、フカヒレの鮮度感というものを皆さんご存知でしょうか。生の状態で鮮度が良い状態のものが手に入らないと、ふかひれの加工品も美味しいものができません。ですから、仕入れた時から加工まで、子供の面倒を見るように、育てて作り上げております。

madehni (まで~に)
2011年の震災から現在まで、すべてを話すのは、難しいのですが(苦笑)、いま野崎総料理長とは、「madhni(まで〜に)」という、三陸に拠点を置く、4社が立ち上げた共同開発のチームのプロジェクトにて、味を監修いただいております。4社共々、震災前は、一社一社がライバルで、他にはスキルを教えない、素材を分け与えないなどもあった関係でしたが、震災以降は、手を取り合って、地域を活性化しよう、みんなで作り上げていこう、となり、始まったブランドです。

ちなみに、弊社商品でも「牡蠣のポタージュ」という商品がありまして、その商品開発の過程で、野崎さんに飲んでいただいたのですが、「海苔パウダーを少し入れて水に伸ばす」というヒントをいただき、試してみたところ、味が劇的に美味しく変わったことを、海ご飯をたべて思い出しました。今日も素晴らしい料理をいただきました。ご馳走様です。

(野崎総料理長)

ありがとうございます。そうですね、石渡さんもそうですが、三陸の方々とは、震災以降の付き合いになりますね。「madhni(まで〜に)」は「(その人は)丁寧な人だね」「きちんとしているね」という方言の意味なのです。

その中で、「牡蠣のポタージュ」ですとか、本日の「海ご飯」にも通じるところがあるのですが、実は、日本料理において「だし」についてのイメージが勘違いされていないかと思うことがあります。

外国でも日本料理の普及やPRのために、「UMAMI(旨み)」ということで騒がれていますが、例えば、牛乳は、普通の出汁の5倍ほどの味わいがあるので、外国人にとって「UMAMI(旨み)」ということを訴求するのはおかしいなと思うんです。なぜなら、とても旨味がある牛乳で育っているはずですから。だからこそ外国人には味が「濃くない」と、そもそも味を感じないと思います。

一方、日本は、水か綺麗であることから「淡味(たんみ)」がベースにあるはずです。その淡味が、今日の海ご飯でも活用させていただいておりまして、特に出汁をつかった汁で炊いておりません。普通の水です。

なぜかわかりますか?

逆に出汁が味を壊してしまうからなんですよ。牡蠣と青のりの味わいで勝負したい、素材の良さを最大限に生かすことが大事です。そういう視点で今日の、この後の講義にをぜひ考えてみてください(笑)。

(石渡様)
まさに今日の料理は、淡味がベースでしたし、もう一つ驚いたのは、その料理から「気仙沼のにおい」を感じました。新鮮な牡蠣の、水揚げするときの現場の香りでしょうか。ご飯から、そうした牡蠣の香りをがしました。

今回の食材リストは5つと少ないのですが、まだまだあります。さんま、初かつお、戻りかつお、そして牡蠣は11月相場がピークで、生産者から「はなたれ」と言われていて、さっぱりとした味わいですが、これから3〜4月頃には、牡蠣も産卵が控えているので、さらに身がぷっくりとして、味も濃厚になります。そういった産地でも、味の違いを楽しんだりしております。ぜひ気仙沼の食材で、ご要望あれば、対応いたしますので、よろしくお願いいたします!

(本田様より、日本遺産情報)

1)宮城県として
(参考情報:日本遺産「政宗が育んだ“伊達”な文化」が認定されました)
https://www.pref.miyagi.jp/soshiki/bunkazai/japanheritage160510.html

やはり宮城は「伊達な文化」として、日本遺産になっています。
また、松島も日本遺産として、点在した島々など有名です。

2)北海道として
(参考情報1:江差町は北海道初の「日本遺産」認定のまち)
https://www.hokkaido-esashi.jp/modules/towninfo/content0113.html

(参考情報2:カムイと共に生きる上川アイヌ)
https://japan-heritage.bunka.go.jp/ja/stories/story055/index.html

北海道は「江差」として日本遺産登録があります。特に北前船など有名です。また食材としては「にしん」も有名でね。そのほか「カムイ文化」です。上川を遡上してくるシャケが、神の使いとして標榜されています。寒いところだからこそ、美味しくなる食材をおもに生かした。その素材のちがいを、しっかりと出してくれる。その状況にファン層がふえているのでしょうね。

以上